今の家は、断熱性が高く、暖かくて涼しい?
新築してから後悔する項目
20年以上経った家でも10年未満の家でも、後悔する項目の1位と2位がわかると思います。(しかも、1位と2位は3位以下を大きく引き離しています。)
1位は「収納、間取り」。10年未満の家に住まわれる方で約7割の方が後悔されておられます。2位は「寒い/暑い、風通しが悪い、暗い、結露」となっています。
10年以内に新築をされた方でも、実に4割の方が不満を持って生活をしていることになります。現在でも、暑さ、寒さに対する不快感を抱いている方が多いと言えます。
「寒い/暑い、風通しが悪い、暗い、結露」という項目は、専門的で難しそうに感じるのか、プロであれば一定レベルで実現してもらえると考えているのか、家づくりを進めていくときにあまり話題になりませんが、この結果でわかるように、実はこうした項目で後悔している人はとても多いのです。
機械に頼らず、太陽光、熱、そして風といった「自然エネルギー」をそのまま利用し、快適な住まいづくりをしようとする設計思想・設計手法のことを言います。自然の光や風を上手に活用し、室内を冬あたたかく、夏すずしくするため、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することができます。建物そのものが快適性を生み出します。
機械に頼らず、太陽光、熱、そして風といった「自然エネルギー」をそのまま利用し、快適な住まいづくりをしようとする設計思想・設計手法のことを言います。自然の光や風を上手に活用し、室内を冬あたたかく、夏すずしくするため、電気やガスなどへの依存率が減少し、省エネでありながら快適で健康的な暮らしを実現することができます。建物そのものが快適性を生み出します。
「夏涼しく」を実現するために、何より重要なのがこの日射遮蔽です。
とくに、窓から入る日射を最大限に少なくすることがポイントで、このことにより冷房エネルギーや夏のエアコン代を削減することにつながります。
身体に風が当たると涼しいと感じますが、その効果を取り入れた手法です。また、建物の中にたまった熱を排出させる意味もあります。
自然風利用のポイントは「外気温が低い時に風を取り入れる」なので、真夏であれば夜間に行い、その前後の季節であれば日中も夜間も行うことが有効となります。
昼間に、太陽光をそのまま光として利用し、人工照明に頼らず、室内を明るくすることを目的とします。
居室にはできるだけ2面以上の採光が取れるように設計します。また、1階南面から採光が難しい場合には、吹抜けなどのプランなども計画します。
冬場、断熱性と蓄熱性を一定以上に高めた建物において窓からたくさんの太陽熱を入れ、蓄えられた熱を主に夜間に暖房として使う手法です。
「集熱」「断熱」「蓄熱」この3つのバランスをうまく整えられれば、室温変動が小さくなり、快適性が向上し、暖房エネルギーの削減につながります。
ここで何より重要なのが、この5つの項目のバランスを考えることです。当然地域によってそれぞれの重要性や求められるレベルは変わってきますし(たとえば、茨城県であれば冬の日射量が多く夏も暑くなるので、その特性を考えた設計が必要です)、敷地条件によってもこれらのバランスは変わってきます(たとえば、南側に日射を遮る建物があれば、冬の日射取得は期待できません)。断熱性を高めるだけの家づくりは簡単ですが、高断熱にすると夏暑くなることを理解して、日射遮蔽や自然風利用をしっかり考えながら設計を進めていくのが本来のパッシブデザインなのです。
・エアコンやファンヒーターの利用が最小限で済みます。
・室温や湿度が安定し、寒さ・暑さの不満が解消できます。
・ヒートショックが起きる環境を回避できます。
・肌のかゆみやアトピー性疾患が改善されます。
・女性特有の冷えが緩和され、美容と健康につながります。
・風邪が引きにくくなります。
・光熱費が大幅に削減されます。
また、パッシブデザイン住宅は、設計したらおしまい。というわけではありません。住まい手の暮らし方に大きく左右されます。一緒に光熱費削減、CO2削減にも取り組みましょう!
また、光熱費を削減するだけでなく、電気・ガス・灯油等の家庭エネルギー削減も期待できます。
CO2削減にもつながり、地球温暖化を抑制するのにもつながるのです。
ヨーロッパ型の高断熱・高気密住宅をパッシブデザイン住宅であると勘違いしている会社があります。
逆に、日本の伝統的な住宅こそがパッシブデザインに優れた住宅であると誤解している人がいます。
先ほども述べたように、すべての季節を考え、地域に合った住宅を考えていくのがパッシブデザインですから、
日本と気候が大きく違うヨーロッパ型の家づくりをそのまま持ち込んでもうまくいくとは限りません。
(北海道であればよいと思いますが...。)
また、確かに日本の伝統的な住宅は軒が深く、窓が大きいことで風通しがよく、
夏には優れているかもしれませんが、断熱性能が極めて不十分であり、冬がとても寒い住まいになってしまいます。
「断熱」「日射遮蔽」「自然風利用」「昼光利用」「日射熱利用暖房」の
すべての項目が、バランスよくしっかり考えられたものなのです。
また、パッシブデザインが注目されることでウィンドキャッチャーや
蓄熱土間を採用するところが増えてきましたが、
そうした"パッシブデザインらしいもの"を取り付けても優れたパッシブデザインになるとは限りません。
設計段階でしっかり温熱計算やシミュレーションを行うことで、
パッシブデザインが目指す「快適・健康・省エネ・省光熱費」が実現できる確率が圧倒的に上がります。
事前に室温を想定し、建物の断熱性能を表現するQ値を設定します。躯体の断熱の厚みやサッシの性能を決めます。
その地域の卓越風を調べたり、温熱計算や日照シミュレーションにより、その敷地条件内でパッシブデザインの最適解の設計を行います
その計算やシミュレーション結果をもとに設計を行った住宅を、しっかりとした施工技術により施工します。
実際に家が建った後のシミュレーションがあっているか、室温や湿度を測定させていただいています。
また、お客様のご協力のもと光熱費等も調査しています。
夏は閉じて、日射をシャットアウト。冬は開けて、日射を取得し陽の光を室内に取り込みます。
洗濯物が隠せるという一石二鳥のメリットも!
夏の日射をシャットアウトします。夏場と冬場の太陽高度に合わせてルーバーの角度を調整できます。夏場は、日射をシャットアウト。夜は、外からの視線を遮りながら風を通すことができます。冬場は、日射を取得します。ルーバーも上げ下げ可能ですので、掃出し窓からの出入りが可能です。
風を窓ガラスに当てて室内へ取り込みます。
水廻りは高窓を付け、防犯性と昼光利用を兼ね備えた通風計画をします。
プライバシーを確保しながら、通風計画が可能です。
1室に2面以上の窓を設け、自然風を有効利用した通風計画です
吹抜け+トップライトで昼間の光を有効活用します。照明を点けなくても明るい「導光」と呼ばれる手法です。
断熱性能を向上させ、蓄熱性の高いコンクリート等の材料を活用して日射熱利用暖房を実現します。
人間は気温が18℃以下になると寒さを感じ始め、15℃を下回ってくると健康に異常をきたす可能性が出てくると言われています。ですので、山本建築では、Q値を1.6W/㎡Kに設定し、最低室温(居室の早朝の室温)を15℃以上になるように計画をし、設計を行っています。また、冬のヒートショックによる死亡者数は、交通事故による死亡者数の約3、4倍多いという事実をご存じでしょうか?これは、住宅における居室と非居室の温度差が原因とされています。ですので、居室と脱衣室等の非居室との許容温度差として5℃を目指しています。
茨城県の夏の外気温は、35℃を十分に超える暑さです。家の中に居ても、「熱中症にかかる例」が、気温上昇とともに問題になっています。環境省が提案しているWBGT(湿球黒温度)を指標にした体感温度によれば、28℃を超えると厳重警戒すべきとあり、それを室温で計算すると35℃になるそうです。 ですから、室温を35℃以下にすることを目安にしています。
室温を夏期と冬期で一定に保つことは、無理があります。光熱費もかかりますし、半そでで1年中過ごすことも皆さんが望んでいるわけではないでしょう。では、どういった点から室温目標設定したかという点ですが、これを決めたのは健康面からです。近畿大学の岩前篤教授が断熱レベルと健康性の深い関係性を説明されています。
断熱等級5とは、Q値でいうと、1.9W/㎡K程度となります。このグラフを見ると、主に、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚疾患、手足の冷えなどが断熱性を上げることにより、改善率が20%上昇しています。この程度のQ値にすれば、健康性がなぜ上昇するのか明確にはなっていませんが、家全体の室温が上がり、長時間過ごす居室の最低室温が上昇することが起因していると考えられています。
パッシブデザイン協議会代表の野池氏によると、不満率が30%を切ると住まい手の満足度が相当に高くなるそうです。そういう意味で山本建築が目指す冬の最低室温15℃というのは相当に満足度が高いレベルと言えそうです。また、夏の不満率30%ラインは28℃くらいです。これは、山本建築が目指す夏の最高室温35℃よりも低い温度ですが、真夏の日中はエアコンをかけて暮らすのが現実的であり、そのエアコンの稼働率をできるだけ小さくするような"夏のパッシブ"を計画します。あくまで、35℃というのは家の中で熱中症にかからないギリギリの温度です。